旧東ドィッの巨大スーパーを舞台に社会の片隅で生きる人々の姿自由度低い環境でも小さを幸せ

摘要

ドイツ映画『希望の灯り』(2018年/ト，|マス.ステューパー監督•脚本、125分)は、1990年に再統一された旧東ドイツの社会的残滓(ざんし)をとどめている。37歳のステューバー監督は、旧東ドイツのライプツィヒ生まれ。物語の背景である旧東ドイツが、再統一から約30年後の現在まで、人々の心の中に存在していることが作品のメイントーンとして貫流している。東ドィッは、悪名高い秘密警察シユタージに支配された暗いィメージが残っているのは事実であるが、それ以外に取りえもあつたのではないかと、作り手は控え目に述べている。(中川洋吉•映画評論家)