ヒューマス炭化粉含有樹脂板を用いたマイクロ波帯用電波吸収体の設計に関する検討

摘要

本論文では，新たな誘電損失材料として有機性廃棄物であるアミノ酸粕ヒューマスに炭化処理を加えた炭化粉に着目し，それらを含有した樹脂板からなる一層型電波吸収体の設計を行った．まず，異なる温度で炭化処理を行った炭化粉及びそれらを配合した混合粉を損失材料として含有させた試料を製作し，その18.0～26.5GHzにおける複素比誘電率を測定した．結果より，炭化温度，混合炭化粉の組合せ及び配合率の各パラメータに対する複素比誘電率の変化は異なる動きであることを確認した．更に，電波吸収体の設計を希った結果，各パラメータを制御することにより，22GHzにおいて試料の厚みd＝0.75～1.47mmの範囲で実現できることを示した．