高速移動通信システム向けSNR最大化型低演算量QRM－MLDアルゴリズムの検討

摘要

近年，限られた帯域幅で高速伝送を実現する技術としてMIMO（Multi－Input Multi－Output）多rn重技術が注目されており，無線LAN（IEEE 802.11n），モバイルWiMAX（IEEE 802.16e），及び3GPP LTE（Long Term Evolution）など様々なシステムで採用されている．MIMO多重システムでは，受信信号を分離する最ゆう検出（MLD：Maximum Likelihood Detection）法が優れた特性を示すことが知られており，演算量を削減しつつMLD法と同等の特性を示すQRM-MLD（QR-Tdecomposition with M－algorithm MLD）法が提案されている・既存のQRM－MLD法では干渉成分を最小化した信号を用いて信号候補点を削減するため，受信ダイバーシナを完全に得ることができず，初期段階では信号候補点を大幅に削減できないという問題点がある・本論文では，受信ダイバーシチ効果により受信信号電力が最大となる信号を用いて信号候補点を削減するSNR最大化型低演算量QRM－MLDアルゴリズムを提案し，その伝送特性をコンピュータシミュレーションによって明らかにした・その結果，f_dT＝0.03（ν＝100km／h相当）の高速移動環境において，2×2MIMOのrnQRM－MLD法と同等の性能を16QAMでは3／7程度（42％），64QAMでは1／7程度（14％）の演算量で実現しrnつつ,同等の演算量のASESS（Adaptive Selection algorithm for the Surviving Symbol replica can didates）法に対して，16QAMでは同等，64QAMでは6dB以上の利得差があることを確認した．