一斉報知を用いた遅延発呼制御方式におけるサーバ同時接続数の安定化に関する一考察

摘要

近年，テレビ番組や災害などのイベントを契機としたバースト的なトラヒックがサーバのふくそう 要因となる問題が顕在化しており，優先制御による制御手法をはじめとした多くのふくそう制御手法が提案されている．筆者らは，こうしたトラヒックの制御の一手法としてサーバへのユーザアクセスを一時的に待機することでサーバへのリクエストレートを平準化する遅延発呼型のふくそう制御方式を提案した．本論文では，同方式を拡張し，デジタルテレビ放送等の一斉報知通信路に待機制御情報を重畳することにより，サービス時間の平均値をもとにサーバの同時接続数を制御する方式を提案する．更に，サービス時間の平均値のみを用いる提案方式において，サービス時間分布が制御された同時接続数に与える影響を，代数的な解析及び計算機シミュレーションにより明らかにした．