振動操作関数による倒立振子のフィードフォワード制御（区分時間毎のフィードフォワード関数の並びを用いた離散サンプル値安定化制御）

摘要

倒立振子は，構造が簡単であるにもかかわらず，典型的な不安定·非線形システムであり，そのため新しい制御法の有効性を確かめるためのベンチマークとして広く利用されている．例えば単一倒立振子を不安定な平衡点である倒立点まわりで安定化させるためには，系の状態を何らかの方法でフィードバックした制御が必要となる．これらフィードバックの手法として，従来はPID制御やFuzzy制御等が用いられてきたが，これらの多くは連続制御であり，フィードバックは常時連続的に行われる必要があった．一般に入力関数u（t)は，フィードバックにより修正を受けることから，不安定な系に対して入力される関数u'(t)は，運転者の意図とは必ずしも一致しない動きを取ることが多かった．