Sパラメータ法を用いた入力インピーダンスの広帯域測定

摘要

ダイポールアンテナやループアンテナといった平衡給電を行うアンテナの入力インピーダンスを測定するために，測定用ジグを接続した平衡給電アンテナのSパラメータをべクトルネットワークアナライザで測定し，計算によって入力インピーダンスの値を導き出すSパラメータ法と呼ばれる測定方法が提案されている.本論文では，波長と比べて測定用ジグの寸法が無視できなくなる周波数において，測定値からジグの影響を取り除き測定精度を高める方法を提案する.マイクロストリップ線路を用いてジグの製作精度を高めることにより，Sパラメータ法の測定精度を高め，測定周波数範囲を広げる.べクトルネッ小ワークアナライザの校正方法としてSOLT校正を用いた場合とTRL校正を用いた場合について検討する.SOLT校正の場合は測定用ジグの影響を取り除く必要があるため，縦続行列を用いて補正する3種類の方法を示す.ダイポールアンテナの入力インピーダンスをこれらの方法で測定し，解析手法としてモーメント法を用いた計算値と比較することにより，本測定方法は広帯域測定が可能であることを示した.