パラメータを含むシステムのLQ制御問題について

摘要

LQ制御は与えられたシステムに対して，二次形式を含む評価関数を定義し，その評価関数の値を最小化する設計法であるが，ロバスト性に富み，現場でも広く用いられている．しかしながら，LQ制御系を設計するには代数的Riccati方程式を解く必要があるため，システムがパラメータを含む場合にはパラメータに何らかの数値を代入する必要があった．本論文では，パラメータを未知変数として残したまま，H_2最適制御系を設計する方法を提案する．この設計法を用いると，パラメータを含んだシステムに対するLQ制御系がパラメータを変数に残したまま構成でき，そのときの評価関数の最小値が2変数多項式の実根として表現できる．また，この2変数多項式の実根としての表現を用いて，評価関数の最小値の様々な性質を調べることが可能である．