相関関数の二乗和を評価関数とするpre-inverse適応システム

摘要

未知系の伝達関数の逆数を推定することを目的として未知系の前段に適応フィルタを配置した構成rnの適応システムは一般にpre-inverse適応システムと呼ばれる．未知系の後段に適応トランスパーサルフィルタをrn配置し，その適応パラメータを前段に配置したトランスパーサルフィルタにコピーする等化型適応システムが代rn表例である．このシステムはノイズ電力を最小にする方向に適応パラメータが更新されるため収束値がバイアスrn誤差をもつという問題があった．バイアス誤差をもたない適応システムとしてfiltered-xアルゴリズム，APMPrn（All-Pass Minimum-Phase）アルゴリズムなどを用いた方式が知られている．本論文は相関関数の二乗和を評rn価関数とする等化型適応システムを提案する．ノイズと適応システムへの入力信号の独立性を仮定することによrnりバイアス誤差がゼロとなることを示す．また，評価関数のヘッセ行列が正定借になることを証明し，適応アルrnゴリズムの収束条件を定式化する．最後に検討結果を計算機シミュレーションにより検証する．