磁気力顕微鏡を用いた微小磁性体に対する磁性マニピュレーション手法

摘要

Magnetic force microscopy (MFM) is a member of scanning probe microscopy family. The MFM is a powerful tool, which can measure and manipulate a magnetization of a sample surface by scanning a magnetic tip. However, a threshold position of the magnetic tip for the magnetization manipulation has not clarified yet. Here, we propose a vertical magnetization manipulation method, and clarify the threshold magnetic tip position for magnetization manipulation. By selecting the magnetic tip position, we can create single-domain state, clockwise vortex state and counterclockwise vortex state on an elliptic nanodot.%磁気力顕微鏡とは、走査プローブ顕微鏡の一種である。探針•試料間に働く磁気的相互作用を二次元的にマッピングすることにより、試料表面の磁化状態を画像化できる。さらに、探針からの漏洩磁場を用いて、試料表面の磁区構造を制御することも可能である。このことから、磁気力顕微鏡は、微小磁性ドット等に関する研究に欠かすことのできないツールとなっている。しかし、微小磁性ドットに対する磁性マニピュレーション条件は十分に明らかになっているとは言えない。そこで本研究では、微小磁性ドットに対する磁性マニピュレーション条件を検討した。具体的には、実験ならびにマイクロマグネテイクスシミュレーションを用いて、磁気力探針位置に依存した磁性ドットの磁化状態を測定した。その結果、微小磁性ドットに対し、磁気力探針の位置を変化させることで、単磁区構造から、逆向きの単磁区構造、時計回りの磁気渦構造、反時計回りの磁気渦構造を、それぞれ作製できることが明らかとなった。