[鳥根発]鳥取県内の地域コミュニティにおける保健医療福祉システムへの取組み

摘要

鳥取県は中国地方北東部に位置する推計人口57万人の人口最少県であり(2015年10月現在)，また，高齢者率は推計30%とほぼ3人に一人が高齢者である.人口最少県であるがため，人口密度は約162人/km~2と全国37位であるが，山地が多く，東部•中部•西部にある平野部の各圏域にのみ中核となる都市地域が存在する.それら中核都市地域の周辺に中山間地域が広がっているため，比較的中山間地域と都市地域の連携が取りやすくコンパクトなコミュニティの形成が容易な県である.鳥取県の中山間地域では既に高齢者率が50%を超えるところもあり，過疎や高齢化の進展による今後の集落規模縮小が懸念される一方，保健医療•福祉サービスのニーズは高まっており，中核都市と連携したコミュニティを最大限に活用しながら.中山間地域に住む高齢者の自立した生活を支える保健医療福祉システムの構築は重要な課題の一つと言える.本稿では，鳥取県の中核都市の一つである米子巿周辺の中山間地域である日野郡日野町をモデル地区とした「ICT活用による集団健診時の転倒予防診断システム」について紹介する.