平面コイルの相互誘導を利用した磁歪効果型力（ひずみ）センサ

摘要

直交させて重ねた2つの平面コイルをアモルファス磁歪箔とアモルファスヨークで挟み込んだ構造の検出ヘッドを持つカセンサを提案，試作した。断面が15×15mm~2のアルミ角棒に取り付けて曲げモーメントを加えたとき，38.4mV/Nm（変位量δl/l=10~(-6)当り1.57mV）の感度が得られた。磁歪箔及びヨークの大きさは，平面コイルと同じ大きさのとき高感度となることがわかった。検出コイルを多層化することによって高感度化できることも確認されたが，検出ヘッドの厚みの増加によるヨークの励磁効率の低下を抑えるには，極力薄いコイルを用いることが重要である。また，励磁周波数が高いほど見かけの感度は向上するが，励磁-検出コイル間の相互インダクタンスの変化に着目すると最適な励磁周波数が存在し，今回試作したセンサでは10～20kHzが最も効率的で，0.41mH/Nmの単位力あたりの相互インダクタンス変化が得られた。