新型ソフトスイッチング電力変換回路と応用機器の技術動向

摘要

パワー半導体デバイスの高周波スイッチング時の高効率化，スイッチング電圧サージ・電流サージに伴う低電磁ノイズ化に対してゼロ電圧スイッチング（ZVS），ゼロ電流スイッチング（ZCS），これらの混合スイッチング（ZVZCS）といったソフトスイッチング転流回路技術が効果的である。近年，ソフトスイッチング動作を実現するにあたってパッシブ補助共振スナバ並びにアクティブ補助共振スナバに関する部分共振回路トポロジーを中心としたR＆D技術がクローズアップされている。また，これらの多様な共振回路技術を導入したパルス変調ソフトスイッチング転流モード電力変換回路トポロジーと，これに特化した制御方式の実用的見地からの最近の性能評価と検討は見逃せない。さらに電力の高品質化・高精度安定化・高信頼無停電化供給から電力の高効率有効変換高度化利用を対象とするシステムにおける高周波パルス変調方式ソフトスイッチング電力変換回路を含む高性能・低ノイズ応用機器の技術開発がこれまでにも増して活発に推進されており，その適用範囲は拡大する一方である。本技術報告書は，最近トピックスとしてとり上げられている高周波ソフトスイッチング半導体電力変換応用機器を取り巻くいくつかの要素技術とこれらの相互相関システム統合化技術を体系的に整理し全体像を明確化する応用機器事例をとり上げ，問題点とソリューションを網羅的に検討し，将来関連技術動向を展望している。