ロシア極東港湾とシベリアランドブリッジ輸送

摘要

筆者はここ10年近くにわたり国土交通省発注の極東ロシアの港湾に関する数多くの調査に従事してきた。ロシア極東港湾は、極東地域の経済活動(人口約600万人で長期減少傾向)を支えるための商港施設も存在するが、基本的にはロシアの資源輸出のための石炭、原油等の輸出基地として機能している。この中で、ロシァ極東港湾のユニークな機能として、モスクワ等ロシァ西部や欧州までシベリア鉄道を使って輸送するいわゆるシベリアランドブリッジ輸送の拠点としての機能がある。特に最近のコンテナ海運市況の急騰やスエズ運河の通航止めなどを受けて、シベリア鉄道を使ったトランジット輸送は再度注目を浴びようとしている。