釜石港を核とした地域産業や賑わいの再興

摘要

釜石港は、岩手県沿岸地区の中央部に位置する天然の良港で、古くは東京～函館間の中間補給地点として重要な役割を担った。明治5年には我が国の第1号海図として釜石港が描かれたほどで、明治7年に釜石に官営製鐵所が建設されて以来、鉄鋼関連貨物の取り扱いを中心に港勢が発展してきた。近年は、完成自動車の陸揚げ·積出し、飼料原料の輸入、IPP石炭火力発電所の石炭輸入などが段階的に行われ、平成15年には総合静脈物流拠点港(リサイクルポート)に指定された。さらに平成19年には、「湾口防波堤」「公共ふ頭」「仙人峠道路」の三大基盤が整ったところであつたが、まさにその矢先で東日本大震災が起こった。東日本大震災では、「湾口防波堤」「公共ふ頭」「魚巿場」など、釜石港全域が被災し、瓦礫に埋もれた。すべてが振り出しに戻ってしまった瞬間であった。