調布駅北ロ交番

摘要

京王線調布駅北ロの線路と駅前広場に挟まれた場所に建つ交番。ガラス張りで市民が親しみやすいオープンなオフィス、待機スぺースや仮眠室、相当量の収納が、延五〇平米にコンパクトにまとめられた。基本的かつ絶対的な条件は、交番としての安全性と地域の中での分かりやすさ。大きい建物に囲まれ、電車が行き来し十万人以上が乗降する、交通量も多い東京郊外の駅前空間は、二、三人が二四時間詰めている小住宅のようなものとはギャップが大きすぎる。しかもプログラム的に、通常考えられる内外を同時につくるオーブンさは難しい。そこで、厚い二枚のコンクリート壁を高さ方向にプロボーシヨンを伸ばし、仮眠室のある円筒形の梁でつなぐことで明快な骨格をつくり、オフィスを駅前広場に向かつて飛び出させた。壁は黒いフッ素樹脂塗装で磨かれ、周囲を柔らかく映す。側壁と天井の三方をオペークなガラス面とし、壁にライトボックスとなるもうーつの円形の孔も設けることで、内部の生活の場に空気を循環させ光を満たし、厚い壁に視線の抜けもつくり出した。