東京工業大学百年記念館

摘要

東京工業大学が創立一〇〇年事業として大岡山キャンパスの正門脇に計画した、展示室や会議室、ラウンジからなる大学施設。工業関係の機械や発明品を展示するだけでなく、学生や教員、技術者たちの積極的な交流を促すことが意図されたことを受けて、無味乾燥な国公立大学のキャンパスに一石を投じるように、斬新でュニークなデザインが篠原によつて提案された。宙に浮く屈曲したステンレス製のハーフ•シリンダー、独立したエレべータシャフトや非常用外部階段、アルミとガラスによってタイリングされた外被、等々……。地下に収蔵庫を加えたり、会議室を展示室に改修するなどの変化はあつたが、竣工当時「プログレッシブ•アナーキー」や「ァーバン•マシーン」と篠原自身が唱えていた異形異彩は、約三〇年経った現在でも失われていない。特に、展示•交流機能が強化された、一階のラーニング&インフォメーシヨン•コモンズ「T-POT」では、企画展ゃ講演会積極的に催され、OB•OGたちの交流が促進され続けている。