アンダーパス工事の奖遷と分類そして課題

摘要

都市部における鉄道の地下化，高速道路の整備，交通渋滞の緩和などを目的に計画•実施されている長距離トンネルの工事には，一般にシールド工法が用いられている。しかし，平面交差の解消などを目的に行われる，鉄道や道路などの路線を横断する短いトンネルを構築する工事では，直上部の鉄道や道路などへの影響を最小限にするために，多くの場合に特殊な施工方法を用いている。このような特殊なトンネル工事をアンダーパス工事という。最近では，施工性や経済性の課題を克服して，短い区間でもシールド工法を用いてトンネルを構築する事例もある。このような，アンダーパス工法の開発経緯を振り返り，その分類を試みた後に，現状の課題について述ベる。なお，アンダーパス工事は主に鉄道の下を交差する事業に適用されて発達してきたため，本稿は主として鉄道の視点からの記述となっている。