高速道路における土工構造物の補修•補強技術: 大規模特定等更新事業

摘要

本年2月26日，首都圏中央連絡自動車道の茨城区間： 境古河IC〜つくば中央ICが開通した。これで東•中• 西日本高速道路(株）（以下，「NEXCO3社」）という）が 管理する高速道路延長（全国路線網）は2017年3月末現 在，9,374kmになった。高速道路は東日本大震災や平成 28年熊本地震に見られるように，平常時ばかりでなく非 常時においても緊急交通路として，我が国の社会および 経済活動に必要不可欠な社会基盤となっている。一方，前報にも示したように高速道路の供用年数は 最も長いもので50年以上を経過し，従来の維持管理•修 繕では高速道路の健全性を長期にわたって維持すること が困難となることが危惧されてきた。このため，NEXCO 3社では「高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に 関する技術検討委員会」による提言2)を受け，今後の大 規模な修繕補修などの事業について国に申請したところ, 2015年3月，3兆64億円で15年間の工事実施認可を受けた。本稿では，土工構造物における大規模特定等更新事業 で進めようと考えている補強•補修工事について基本的 な考え方を示すことにする。なお，関連する工事事例な どは本号で紹介しているので参考にしていただきたい。