革新構造設計への道しるべ: 大型コンテナ船開発における船体安全性確保のための溶接設計と施工技術

摘要

輸送機器としての船舶の歴史は自動車や航空機などよりはるか長く文明の歴史と比肩する.また現在においても，例えば日本の海上貿易量が9億6千万トン(2012年)であるとの統計が示す通り，物流を支える重要な手段である.貨物輸送を目的に建造される船舶としては撒積船(バルクキャリア)，タンカー(油槽船)，コンテナ船，液化ガス船などがあるが，このうちコンテナ船では特に"高速&効率"が重視される.そのため貨物は規格化されたコンテナに予め積載し，外洋では他の船種よりも速い速度で航行することができる.図1にコンテナ船をVLCCタンカーと併せて示すが，その外観からも船速の速さを伺うことができる.