水面制御方式による雨水吐口のきょう雑物対策

摘要

合流式下水道では，雨天時に一定量以上の雨水が流入すると雨水吐きやポンプ所から雨水で希釈された汚水の一部が河川等の公共用水域に直接流出し，水質汚濁の一因となっている。また，最近では，下水道施設から流出した白色固形物（油の塊：オイルボール）のお台場への漂着や，下水再生水の導入により清流が復活した河川にもごみ等が浮遊し，都民に不愉快を与えるなどの課題が発生している。こうした今日的な課題が顕在化してきたことで，雨天時における放流水質改善に対する新たな社会的ニーズが急速に高まってきており，雨水吐口からのきょう雑物（ごみ等の浮遊物）対策が求められている。ここでは，雨水吐口のきょう雑物対策の一環として当局が民間と共同開発を行い，既に一部設置済みである水面制御装置の基本性能と効果，及びその適応性について報告する。