アセットマネジメント手法導入の効果検証について

摘要

静岡市では平成17〜19年度にかけて、日本下水道事業団(以下、JSという。)と共同でアセットマネジメント(以下、AMという。)手法の導入に関する研究を実施しました。当時、本市では老朽化した施設を多く抱える一方、下水道処理人口普及率が70.1%と政令市としては低く、また、都市浸水対策等の推進も急務で、限られた予算制約の中、効率的•効果的な事業展開を図る必要があり、こうした課題の解決を図るためAM手法の導入検討を行いました。当時、日本の下水道事業におけるAMに関する知見は皆無であり、学識者を含む委員会による審議等も踏まえ、AMの定義を「『下水道』を資産として捉え、下水道施設の状態を客観的に把握、評価し、中長期的な資産の状態を予測するとともに、予算制約を考慮して下水道施設を計画的、かつ効率的に管理する手法」と定め、AM手法の導入効果が高いと判断された処理場•ポンプ場を対象とした既存施設のライフサイクルコスト(以下、LCCという。)の最適化に重点を置いた再構築基本計画を策定し、平成20年度より本格運用しました。その後、ストックマネジメント(以下、SMという。)などの各種マニュアルの発行や他団体のSM、AMの取組みが進むなど、下水道事業におけるAMの知見が整理されつつあります。