下水道財政のあり方に関する研究会について

摘要

下水道事業は、人口減少に伴う使用料収入の減少やインフラ老朽化等の課題に直面しつつあり、下水道事業を取り巻く環境は一層厳しさを増しつつあります。そのような中、各地方団体において下水道事業を長期的に安定して運営できるよう、総務省では、公営企業会計の導入による経営や資産の現状の把握や、中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」の策定に基づく経営基盤強化と財政マネジメントの向上に取り組むこと等を各地方団体に要請しているところです。そして、今般、前回の地方財政措置の見直しから10年近くが経過していることから、改めて事業の収入構造•費用構造等を分析•検証し、より効率的•効果的な事業運営に資する下水道財政のあり方について調査•検討を行うため、平成26年12月に本研究会が設置され、去る平成27年9月に報告書の取りまとめが行われました。本稿では、研究会報告書の概要等について解説します。なお、文中、意見に係る部分は筆者の私見であることを申し添えます。