既設スクリーンの改良による維持管理の軽減対策: 無動力型ごみ分離装置(縦旋回流スクリーン)の導入

摘要

開発区域に設置された雨水流出抑制型排水施設の貯留池入口のバースクリーン（手搔式）は.捕捉したごみを降雨後に，毎回，人力で撤去する必要があり手間が掛つていた.また，秋の台風時期には，降雨時にスクリーンに捕捉されたごみが流水阻害となり，上流へ背水の影響が生じて降雨後も冠水がなかなか解消しないことが懸念されていた. 既設スクリーンの改良による維持管理の軽減策として，機械式スクリーンと複数の無動力型ごみ分離装置を対策の候補とした.対象地点は，貯留池と排水ポンプ場の上部が公園として利用されているが，機械式スクリーンは地上工作物が必要となること，および，排水ポンプ場は低圧受電の上限で設置されているため受電設備を変更しないと動力の確保が難しいこと等から，無動力型ごみ分離装置(縦旋回流スクリーン）を採用した.採用した無動力型ごみ分離装置は，下水道雨水施設としての実績がないため.設置後1年間.ごみの発生量実績，スクリーンへのごみの付着状況，台風等の大雨•超過降雨時の背水への影響などの維持管理性を評価したところ，良好な結果が得られているので概要を報告する.