分流式下水道における雨天時浸入水実態調査と対策協議会

摘要

本府流域下水道は7流域12処理区からなり、南部流域下水道事務所は大阪南部の大和川下流流域と南大阪湾岸流域の二流域を所管している(図-1〉。両流域とも分流式で整備が進められ、平成30年度末時点の汚水普及率は86％に達し、事業の中心が施設の建設、普及拡大から維持管理にシフトする中、維持管理上の課題としてクローズアップされてきた事象が「雨天時浸入水」である。本来、分流式下水道において施設への雨水の流入はありえないが、現実には宅内の排水設備の誤接合ゃ管渠等の破損箇所等から、雨水が汚水管に流入している。施設設計時においては地下水の流入などを一定程度見込hでいるが、昨今の気象状況の変化(局地的集中豪雨の増加)において、処理能力を超える雨天時浸入水が管路及び終末処理場に流入し道路上のマンホール蓋からの「溢水」や「下水の一部を二次処理せずに放流」する事案が発生している。本稿では本府における雨天時浸入水対策の取組みや今後の展望等について報告する。