滋賀県における雨天時浸入水に対する取組みについて

摘要

雨水と汚水を同時に排除する合流式下水道に対して、汚水のみを対象とする分流式下水道に多くの雨水が浸入(以下、「雨天時浸入水」という。）して、溢水等の被害が発生した報告事例が、近年の局所的集中豪雨の増加とともに増えてきている。本県でも、平成25年9月の台風18号来襲の際には、制定されたばかりの特別警報が国内で初めて発表され、県内12ヵ所の観測地点のうち8ヵ所で、48時間雨量が観測史上最大記録を更新した。この豪雨の際には、雨天時浸入水が大量に下水道施設へ流れ込み、特に、県内で最も大きな湖南中部処理区では、地形的に低い地域にあるマンホールや公共ます、宅内ますから溢水し、住民への多大な被害をもたらした。