下水道における水系水質リスクの管理

摘要

昭和45年の公害国会から半世紀、わが国の水質環境は、環境基準設定、特定施設の排水規制、下水道ゃ浄化槽による家庭排水対策などにより、大きく改善した。水域全体のBODやCODの環境基準達成率は、85%、特に河川においては、95.8%を満足しており、また人の健康の保護に係る基準は公共用水域の水質測定の99.8%を満足している。これは、過去のわが国の深刻な健康被害の反省に立って、人の健康の保護に関する環境基準項目は、水道水質基準に有害物質が追加されると同じレベルで速やかに追加が行われ、並行して排水規制も10倍希釈ルールに基づき、規制強化が行われた成果である。また、特定施設への排水規制とともに、環境基準達成を目標とした下水道整備など膨大な投資が実行された成果でもある。