鶏の Campylobacter jejuni/coli保菌と鶏肝からの Campylobacter phageの単離: 第1報 市販鶏肝からのCampylobacter jejuni/coliの分離及び鶏の保菌状況

摘要

To evaluate a carrier rate of Campylobacter jejuni/coh in broilers processed to retail chicken, we tried to isolate the organism from 228 specimens of poultry livers in 72 packages purchased at 8 retail stores for 15 times. C. jejuni/coli was isolated from 104 poultry livers included in 49 packages. The isolation rate 68% from packages was seemed to reflect the distribution of C. jejuni/coli among individuals at broiler farms.%Campylobacter jejuni/coliはDekeyser et alおよびButzler J P et alによって、ヒト下痢症患者から分離され、さらにSkirrow MB et alらによる選択分離培地を用いた広範な下痢症患者の調査結果から高率な分布が報告され、下痢症原因菌として一般に知られるようになった。わが国でも1980年吉崎らにより散発性下痢症の原因菌として分離されたのをはじめ、伊藤らにより集団食中毒としての発生も報告された。その後、1981年に行った著者らの大阪市内の市民病院の小児下痢症患者の調査ではC. jejuni/coliは24%が原因菌として分離され、小児の散発性下痢症の原因菌として重要な位置を占めていた。それ以来下痢症患者や食中毒事例ではその原因究明の調査対象に加えられ、大阪市內の社員寮でも西日本で最初の集団食中毒の発生が確認された。また、全国的にも1982年に札幌市内で病原大腸菌と C. jejuniによる集団食中毒でが発生し、患者が7751人に達し大規模な食中毒にも関与することが知られるようになった。