放射能汚染に向きあう地域環境研究

摘要

福島原発事故からまもなく1年になろうとしているが，いまだに放射性物質による環境汚染に対して解決の糸口すら見えない状況にある。放射能汚染は，時空間的な広がりの点でも，人の健康や生物・生態系に与える影響の大きさの点でも，また，さまざまな環境が汚染されているという点においても，きわめて深刻な環境問題，新たな公害問題である。国内における多面的な研究を結集し，国際的な力も借りて，この環境問題の解決に立ち向かう必要があるが，その中でも，環境研究者の役割はとりわけ重要である。