市川市「じゅん菜池」における水環境再生の取り組み

摘要

日本の重要湿地500選の1つで，希少生物が多く生息することで知られる「じゅん菜池」は，谷津に湧出する湧水により形成された長さ約600m,最大幅約30mの細長い形状をした沼沢群である。湧水量の大幅な減少により，現在，池は地下水により維持されているが，夏には水質が悪化するなどその保全管理が十分に行われているとは言えない。このような状況改善のために，2016年度より，行政，市民，専門家が協働しておこなう水環境再生活動を開始した。過去に池内に自生していたイノ力シラフラスコモ（絶滅危惧1類），ジュンサイなどの水草を復活させることが第1の目的である。活動は緒に就いたばかりであるが，本発表では周辺環境の基礎調査と水環境再生策検討の結果を報告する。