再生可能エネルギー設備のライフサイクル（とりわけ太陽光発電設備のリユース·リサイクル·適正処分）について

摘要

近年，地球温暖化問題への対応が国際的にも重要な課題となっている。また，エネルギー資源の大部分を海外の化石燃料に依存していることも，わが国のエネルギー供給における課題である。こうした状況の中.固定価格全量買取制度により，太陽光発電設備をはじめとした再生可能エネルギーが大幅に導入され，今後も導入が進んでいくことが見込まれている。再生可能エネルギー設備は，一般的に発電等のエネルギー生産時には温室効果ガスを排出しないが，設備の製造•廃棄段階等においては排出する。本稿では，平成24(2012)年度に環境省調査で整理した再生可能エネルギー設備のライフサイクル全体での温室効果ガスの排出量等に関する知見を紹介するとともに，再生可能エネルギー設備をライフサイクル全体で見た場合，とりわけ今後の課題となると見込まれる太陽光発電設備のリユース•リサイクル•適正処分について，平成26年度に経済産業省と共同でとりまとめたロードマップ(使用済再生可能エネルギー設備のリユース•リサイクル•適正処分に関する検討会，2015)に沿って実施されているこれまでの取組を説明する。