平和安全法制とエネルギー安全保障政策日本だけが平和な国ではあり得ない

摘要

米国は、バブル経済時代に日本企業が米国で行ったロックフェラー•センターやエンパイアステートビルなどの資産買い占めを見逃さなかった。反日感情が湧いた。「双子の赤字」に悩む米国は1991年に国際収支が均衡したが、その後も円高政策を継続させ、日本の輸出産業を構造的に規制した。これは、日本が1991年の湾岸戦争時、資金供与にのみ専心し、防衛協力には無関心だったことから、日本国民は日米安全保障条約にタダ乗りしているとの認識を米国民が抱き始めたのと重なっている。日本経済は、日米安保条約への国民の無関心または批判的な態度の見返りとして、2012年までの長期間にわたり米国の円高為替政策の影響を受けた。円安容認など昨今のアベノミクスに対する米国のサポートは、米国政権の従来の基本姿勢からの変化が背景にある。安倍政権の日米安保条約の強化と、TPP(環太平洋経済連携協定)の合意形成に対する日本の積極参加は、米国の政府、共和党、経済界のアベノミクスへの支持を担保にしている。