放射性廃棄物処分における研究開発の現状（第1回）: 我が国における放射性廃棄物処分概念と事業化・研究開発の現状

摘要

我が国の発電量の約3分の1は原子力発電に依存するようになってきており，一方，地球規模の温暖化防止やエネルギーセキュリーティ確保のためにも原子力が我が国の基幹電源として当面の切り札的な存在であるとの認識が高まっており，2005年10月の「原子力政策大綱」において，2030年以後も総発電量の30～40％程度を原子力発電が担うことを目指すことなどの基本方針が示されている。また，この「原子力政策大綱」における基本方針を実現するための具体的方策については，2006年8月の総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会において報告書「原子力立国計画」としてまとめられている。このような原子力エネルギーの推進にあたっては，より一層の安全確保とともに，住民等の理解と認識を得て放射性廃棄物の処分方策を着実に進めていくことが不可欠となっている。