労働安全衛生マネジメントシステムと国際標準化(ISO)の動向

摘要

2014年10月に広島巿で開催された全国産業安全衛生大会は，中央労働災害防止協会(以下,中災防)創立50周年記念を兼ねており,国際労働機関(International Labour Organization:ILO)のガイ•フイダー事務局長から送られた祝辞メッセージには，世界では毎年約230万人が仕事上で死亡しているとの報告があった。一方,日本は,特集の[総論]で紹介されているように1961年の6,712人から約50数年かけて，2013年の1,030人にまで減らすことができたのは，労働安全衛生法令の遵守，特に，その中にある安全基準や衛生基準を遵守してきたことはもとより，法令では規制していないが，中災防が主唱して多くの企業が賛同して取り組んでいる"ゼロ災害へ全員参加運動-主な手法が危険予知活動"やヒャリハツト報告，5S(整理，整頓，清掃，清潔，鎂)などの諸活動を企業が自主的に実施してきたことによる。最近の10数年間では，さらに，労働安全衛生マネンメントシステム(Occupational Safety and Health Management System:OSHMS)やリスクアセスメントが労働災害減少に貢献している。