電力用変圧器の雷インパルス部分放電検出技術: 雷インパルス電圧に対する絶縁性能と信頼性の向上に貢献できる計測技術を開発

摘要

本稿では，電力用変圧器の雷インパルスに対する絶緣性能の確認と，絶縁破壊メカニズムの解明に有効な雷インパルス電圧印加時の部分放電検出技術について紹介した。雷インパルス電圧発生器から放射される電磁ノイズや，変圧器の卷線構造に起因する振動成分が部分放電検出の阻害要因であったが，AEセンサを用いて部分放電信号と電磁ノイズを分離し，また適切な周波数特性を有する検出系を用いることで，部分放電信号が検出できることを実証した。今後の課題として，実規模変圧器モデルでのデータ蓄積と，それにもとづく検出精度の精査が必要であり，継続的に検討を進める予定である。