レーザー核融合研究の現状：わが国独自のレーザー核融合炉を目指して

摘要

レーザー核融合は，レーザー工学，プラズマ物理 学，高エネルギー密度科学，材料科学，核科学など の学術融合型の総合工学である。レーザーが発明さ れて以来，核融合炉実現へ向けて急速に進展している。1980年代に核融合炉の成立条件として不可欠な炉心プラズマ条件である固体密度の1,000倍圧縮や温度1億度が個別にではあるが達成され，炉心プラズマは核融合点火•燃焼を目前とした段階にある。このような中で，わが国は高速点火方式という比較的新しく従来方式に比べ効率的な高速点火方式による点火燃焼を目指した研究を行っている。また，レーザー核融合炉工学システムに必要な高繰り返し高出力レーザーも現実的になろうとしており，レーザー核融合炉実現へ向けた新たなアプローチを開始できる状況になっている。