国立医薬品食品衛生研究所の設備計画

摘要

国立医薬品食品衛生研究所は，生命科学の総合研究所であり，医薬品，食品，生活環境中の化学 物質の安全性と有効性の評価を行うための試験•研究•調査を行っている。東京都の用賀研究所か らの移転により，老朽化や設備不備等，試験•研究業務の支障を解消し，国立医薬品食品衛生研究 所の役割である「国民の健康と生活環境の維持向上」に寄与すべく，研究施設機能のより一層の向上を目指した。また，今回計画の所在地である川崎市殿町3丁目（殿町国際戦略拠点：キングスカイ フロント）は，生命科学，医学系の研究所の集積を目指しており，本施設はその中核となる。本施設の計画に当たっては，①試験•研究業務における安全性および機能性を十分に確保した施 設整備，②国際戦略拠点の形成に寄与する施設整備，③地域環境に配慮して環境負荷低減に貢献で きる施設整備，という3点をコンセプトとした。本稿では，国立医薬品食品衛生研究所の建築概要と電気設備計画および特徴について紹介する。