木造軸組構法住宅の柱頭柱脚接合部設計法に関する解析的研究: その2 建物形状の影響に関する検討

摘要

前報から派生し、梁条件についての計算方法の比較を行った。前提条件である各計算方法での梁条件から比較を行うと「ラーメン置換」で計算されたモデルの方が性能として良い結果となった。接合部が先行破壊しないという設計意図が満足しているかの確認を行った。結果として全てのモデルで設計意図が満足していることが確認できた。更に、設計意図が満足しない場合を検討すべく、耐力壁が内部配置のモデルを作成し先行破壊の確認を行った。しかし、内部配置のモデルにおいても設計意図が満足している結果となった。要因として「ラーメン置換」では、上階の引抜力の伝達が境界梁端部の柱に伝達される。そのため、外周柱に大きい引抜力が生じ接合部耐力が大きくなった。結果、先行破壊が生じなかった。しかし、外周柱が存在しない場合、上階の引抜力はどこへ伝達されるのか。これは明確に定められていない。今後は、外周柱が存在しないパラメータを追加し、更に設計意図が満足しないモデルの提案・検討を行い、接合部設計法の比較を行いたい。