ワーク・ライフデザインを積極的に行う実践者の時間的・空間的工夫

摘要

今回調査した実践者たちは、先端的な就労・居住環境の模索者たちであったが、社会の高流動化に伴い就労と居住の環境的・意識的統合が求められるにつれて、重要な参照点となると考えられる。本稿を通して明らかになった実践者たちの意識・工夫は今後都市生活者にとって応用可能な知恵として伝承されていくことが考えられる。　本稿では、居住・就労の流動化を試みる実践者が、空間的工夫として「携行品を用いたアドホックな場の構築」を行い、都市の様々な空間を一時的に自分の好みの空間に再構築する工夫が行われていることを明らかにした。今後ワーク・ライフデザインはより身近なものとなり、生活者は空間の再構築を自ら行うことを通してワークとライフの統合を進めることが可能となるだろう。