極大地震動に対する鋼構造建築物の耐震性能確保に関わる費用対効果に関する研究: その2 減衰付加の効果

摘要

超高層鋼構造建築物が長周期長時間地震動(以下長周期地震動)の作用を受けた場合，塑性変形の繰返し等により梁端溶接接合部の破断が生じる可能性がある．そのため，近い将来発生が予想される南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動への対策として，2017 年より，新築の超高層鋼構造建築物に対して長時間の繰返しの累積変形による梁端部への影響を考慮した安全性の検証が必要となっている1）．一方，梁端部の破断防止対策として梁端部フランジの拡幅工法等があり，その梁端部のディテール改善による工事費のコスト増分が既往の研究により示されている2）．