冒険遊び場づくり活動の活動場所に関する研究

摘要

冒険遊び場とは「『自分の責任で自由に遊ぶ』というモットーを掲げ、禁止事項をなくし、子どもの『やりたい』という気持ちを可能な限り実現できるようにした遊び場」である。そして、その活動を支えるために「プレイワーカー（プレーリーダー）」と呼ばれる子どもの遊びを見守る大人が配されている。冒険遊び場の活動は、第2 次世界大戦中の1943 年にデンマークで「廃材遊び場」として始まり、その後ヨーロッパ・アメリカの各地に波及した。日本では、1979 年に活動を開始した世田谷区の羽根木プレーパークのように30 年を越える経験を持つ遊び場もあるが、大半は1990 年の後半以降に始められ、その多くは自分たちのまちに自由で豊かな遊びや体験のできる子どもの遊び場を確保しようとする地域住民により運営されている。特に近年では、「プレイワーカー」が遊び場に常駐することの重要性が認識されるようになり、地域における新たな子どもの遊び場のあり方として注目を集めるようになってきている。また、行政と協働で実施する団体も増加する一方で、行政自ら事業に取り組みはじめるところもみられる。