戸建住宅の高断熱化が室内の光環境に与える影響に関する研究 その1 アンケート調査による分析

摘要

近年、社会全体における省エネルギー意識の高まりに伴い、住宅における省エネルギーが重要視され、住宅の高断熱化が普及しつつある。住宅の高断熱化は、室内温熱環境満足度と熱的快適性の向上につながることが多くの既往研究で示されている。一方、高断熱化は、住宅の空間構成や居住者の暮らし方にも変化を与えており、そうした変化は居住者の快適性を考慮する上で重要な要素である光環境にも大きな影響を与えている可能性がある。住宅全体の快適性を向上させるためには、温熱環境と光環境を両立させた設計・提案をしていくことが重要であるが、住宅の高断熱化に対して、光環境まで含めて分析している研究は少ない。そこで本研究では、住宅の高断熱化による空間構成や暮らし方の変化が、住宅の自然採光による光環境にどのような影響を与えているのかを明らかにするため、全国の戸建持家住宅を対象としたアンケート調査と実在高断熱住宅を用いた印象評価実験を実施した。本報ではアンケート調査によって得られた結果を示す。