巻頭言

摘要

近年の電力を取り巻く環境の変化は，著しいものがあります。経済発展とともに，2003年から2013年の10年間で，世界の電力消費量は，約40％増加しました。しかし，21世紀の今日においても，およそ10億人の人々が，電力を利用できない状況にあり，今後，さらなる電力供給インフラの拡充が進むと考えられます。一方，環境問題への対応として，世界各国で電気機器の高効率化プログラムが進められています。我が国においては，1999年よりトップランナー方式が導入され，エアコン，冷蔵庫，変圧器，産業用モータなどさまざまな電気機器のエネルギー効率規制が行なわれるようになりました。さらに，環境問題への対応は，太陽光?風力など再生可能エネルギー，ハイブリッドカー?電気自動車，大規模直流送電など，電力供給?利用方法の多様化?高度化を加速させています。