人と重機の接触災害リスク低減システムの開発: ICTで人と重機の協調安全を実現

摘要

建設現場では人と重機が同じエリア内で作業することが多く，製造業では一般的な「隔離の原則」や「停止の原則」の実現が難しいため，安全の確保は人の注意力に頼る部分が多い。そこで，山岳トンネル掘削工事にICT技術を導入し，人·モノ·環境が情報を共有することで安全を確保する協調安全(safety2.0)という概念に基づいた安全管理システムの開発を目指すこととなった。本稿では，トンネル掘削作業の「ずり出し作業」に着目し，ビーコンを利用した位置情報システムと，高照度赤色LEDライトを利用した警告照明システム，AIを搭載した人検知カメラシステムを組み合わせた，人と重機の接触災害リスク低減システムの現場導入について報告する。