重機土工への回転レーザーレベル活用の薦め

摘要

今回の特集記事のKEY WORD"まわす"からイメージされるのは強固な岩盤を掘削するパワフルなオーガゃ大口径のシールドマシーンなどが挙げられる。一方このような作業には必ずどの箇所をどのように掘削,整形するのか,設計図に即した作業位置情報が必要となる。測量作業によって測位された施工に必要な座標をもとに,丁張が設置される。しかし,丁張を作業目安とするには種々の問題が存在する。この問題点を解決し,作業の合理化を実践する方法として1975年に,回転レーザーレベルシステムが米国のSpectra Precision社によって開発された。国産化は1984年に測機舎により行われた。レベル測位,建設機械の制御システムなど信頼性の高い,取扱いの容易な自動化Toolとして使用されている。システムの機能は平面(2次元)測位に限られてはいるが,機構も比較的単純で,面倒なデジタルデータ入力も必要なく,保守も容易で保有機能の割にはコストパフォーマンスの面でも優れている。本稿で回転レーザーレベルシステムを取り上げたのは今さらの感がぁるが,3次元測位機能を用いた情報化施工システムと比べ数段安価であり,最近は,アプリケーション機器も順次開発されたことにより,活用範囲を広げている。ここでは回転レーザーレベルシステムの機構概要,活用事例,さらにGNSS測位システムの高さ精度補正に特殊な回転レーザー機構が使用されていることを記述する。これにより土木作業の合理化施工推進の実現に向けて,回転レーザーレベルシステムのさらなる活用を薦めたい。