未来を考える力と形づくる力: 土木学会未来の土木コンテスト

摘要

(公社)土木学会は，2014年に創立100周年を迎え，その記念事業のひとつとして，「未来のT&Iコンテスト」を企画した。T&Iとはテクノロジー（T)部門とアイデア（I)部門を意味し，テクノロジー部門はアイデアの創出からその技術検討までを応募者が取り組む総合部門，アイデア部門はアイデアを図画や作文などを含む自由形式で募集し，選ばれた作品に対し，第一線の土木エンジニアが技術検討する協働部門を指す。「未来のT&Iコンテスト」の継続事業として，アイデア部門に特化した「未来の土木コンテスト」を3年ごとに実施することになり，第2回が2017年度に開催，そして現在，第3回の2020年度開催に向けて準備委員会が設置され，検討が進められている（図-1)。著者は第1回の立ち上げ時より参画し，コンテストの理念の設定や運営方法について，議論を深めてきた。本稿では，コンテストの企画を通じて考えてきた土木の力について紹介し，コンテストを通じてその力を実体験する仕掛けについて紹介したい。