琵琶湖・淀川水系における臭化物イオンの発生構造

摘要

臭素酸イオンや有機臭素化合物などの臭素を含む消毒副生成物の前駆体である臭化物イオンについて，n琵琶湖・淀川水系を対象として調査を行った．この結果，環境水中の臭化物イオンは琵琶湖流入河川源流n域に対して淀川下流域では3～4倍に増加することがわかった．すなわち，下流での臭化物イオン負荷量にn対する寄与は，天然にもともと存在する臭化物イオンよりも，人間活動に由来するものの方が大きいことnが示唆された．このため，水系内の下水処理施設に由来する負荷量を調査し，それぞれの処理区域の用途n地域構成とあわせて発生構造について検討を行った．その結果，この流域では家庭排水のみでは説明できnない量の臭化物イオンが排出されており商工業活動が臭化物イオンの増大に寄与していることが示された．