食品廃棄物転売事件で総括

摘要

環境省は，6月20日に昨年1月に発生した食品廃棄物の不正転売事案の総括を公表した。総括では. 県や環境省による監視強化，排出事業者責任の徹底，排出事業者や行政による電子マ二フェストを通じ た廃棄物処理の確認，事案の発覚後の対応について総括，課題と対策を示した。昨年1月，(株）ダイコーが食品製造•販売業者から処分の委託を受けた食品廃棄物を食品として売却す る事件が発生した。この事件は，すでに廃棄物処理法，食品衛生法，刑法違反で関係者3名が有罪判決 を受け，刑が確定している。保管されていた食品廃棄物も排出事業者責任に基づき回収が行われ.愛知 県などでは地元市，廃棄物関係団体，廃棄物処理業者の協力で撤去が行われている。環境省では，これにともない総括を行った。まず，県•環境省による監視強化が必要なことから，昨 年6月にマニュアルを策定，食品リサイクル法の登録事業者に対する指導監督を強化するとともに，職 員の能力向上のために国や都道府県等による研修を充実させる。排出事業者黃任を徹底するため，排出 事業者は社会的信用が失墜するリスクを十分認識する。さらに，適正な処理での委託や現地で処理状況 を確認する必要があるとしている。マニフェストについては，虚偽記載の罰則強化を今回の廃棄物処理 法改正で行ったほか，電子マニフェストで不適正な登録や報告内容の疑いのあるものを検知するようシ ステムを改修した。そのほか，著しく不衛生な状況の場合は.緊急代執行ができるよう，行政処分の見 直しを検討することとした。