鶴岡市，庄内藩の恩人，西郷さん

摘要

慶応4年（1868)正月に京都南郊の鳥羽伏見で火ぶたを切った官軍と幕軍との戊辰戦争の舞台は，東北地方に移り，官軍が朝敵としたのは会津藩そして庄內藩でした。庄内藩は，山形県を貫く最上川の河口に広がる庄内平野を領し，江戸時代初期，出羽（山形県ともがみよしあき秋田県）の英傑，山形城に拠る最上義光の所領でしたが，義光の死後，最上家が改易処分になると，幕府は，秋田の佐竹氏，米沢の上杉氏，仙台の伊達氏ら奥羽の有力外様大名を監視させるため，元和8年(1622),徳川譜代の名門•酒井忠勝を13万8千石（幕末には加増されて16万7千石）で移封させました。以後，幕末までの約250年間にわたり，酒井家は，鶴ヶ岡城を本拠に，出羽の要衝，庄内地方を一貫して統治しました。