カロッツェリア渡辺、その“作品”のつなぐ縁

摘要

少し前、本誌443号でご紹介した『バジリック』の記事を覚えておいでだろうか。この、フェアレディSR311ベースのクルマを生み出したのが、我が国に於けるカスタムカー工房の先駆けとして知られる、カロッツェリア渡辺だ。毎年盛大に開催される東京オートサロンの例を見るまでもなく、昨今では自由度の高い多様なカスタムが当たり前の様に楽しまれているが、まだまだ当時の日本は法規制などの搏りが強く、"カスタム=不正改造"という認識が幅を利かせていた時代。そんな時代の中いちはやく日本国内で"カロッツェリア"を名乗り、独自のボディ•デザインを生み出し、そしてオリジナルのクルマとして正式にナンバーを取得したカロッツェリア渡辺。東京•八王子を拠点に同社を主宰した渡辺雅夫氏の、その情熱と執念は如何ほどのものであったろう。