明治屋 京橋ビル: 地下鉄駅と一体化して設計された現存最古のビルかみやまけんいち むらおかひさかず あら しんいち おぎのあきら

摘要

『明治屋京橋ビル』は昭和8年3月、株式会社明治屋の事務所と店舗を兼ねた本社社屋として建設された。民間建物では初めて建物地階部分と地下鉄駅とを連結させるように計画して造られ、地下鉄駅と一体化して建設された現存最古のビルとして、歴史的にも文化的にも価値のある建物である。外観はイタリア•ルネサンス様式と称され、端正でありながらも繁華な通り沿いに路面店舗を持つ建築としての上品な華やかさを備えている。構造形式は鉄骨鉄筋コンクリート造（地上8階•地下2階）であり、昭和初期の高度な建築技術を反映させた貴重な近代建築である。同一所有者のもと、東京大空襲や外的な環境の変化を乗り越え、創建時の外観•用途を維持して保存されてきた。